建設業許可には、「知事許可」と「大臣許可」、さらに「一般建設業許可」と「特定建設業許可」という区分があります。
それぞれ何が違うのか、分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、建設業許可の4つの区分について、簡単に解説します。
知事許可と大臣許可の違い
建設業許可は、営業所の所在地の状況によって、「知事許可」と「大臣許可」に区分されます。
知事許可
営業所を1つの都道府県内にのみ設置している場合は、知事許可となります。
大臣許可
営業所を2つ以上の都道府県に設置している場合は、大臣許可となります。
例えば、広島県と岡山県の両方に営業所を設置して営業する場合は、国土交通大臣の許可が必要です。
なお、県外の工事を請け負うから大臣許可が必要になるわけではありません。広島県で一般許可を受けて営業している場合でも、岡山県で施工する工事を請け負うことは可能です。
営業所の所在地によって判断します。
営業所とは
それでは、建設業法における「営業所」とは何でしょうか。
建設業法施行令第1条では、「営業所」とは、「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」とされています。
(支店に準ずる営業所)
第一条 建設業法(以下「法」という。)第三条第一項の政令で定める支店に準ずる営業所は、常時建設工事の請負契約を締結する事務所とする。
さらに、建設業許可事務ガイドラインでは、「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」とは、請負契約の見積り、入札、契約締結など、請負契約の締結に係る実質的な行為を行う事務所をいうとされています。契約書の名義人が、その事務所を代表する者であるかどうかは問いません。
つまり、「請負契約を締結する」とは、単に契約書に署名・押印することだけではありません。建設工事の請負契約に関する見積りや入札など、契約締結に関わる実質的な業務を行う事務所も、建設業法上の「営業所」に該当します。
また、実際に請負契約を締結する事務所でなくても、他の営業所に対して請負契約に関する指導・監督を行うなど、建設業に係る営業に実質的に関与している本店や支店は、建設業法上の「営業所」に該当します。
一方で、登記上の本店や支店であっても、建設業とは関係のない業務を行っている支店や営業所も、建設業法上の「営業所」には含まれません。
一般建設業と特定建設業の違い
一般建設業と特定建設業は、主に元請として請け負った工事を下請に出す場合の金額によって区分されます。
発注者から直接請け負った1件の建設工事について、下請契約の金額が5,000万円以上(税込)となる場合は、特定建設業の許可が必要です。
下請契約が複数ある場合は、その下請代金の総額で判断します。
なお、建築一式工事の場合は8,000万円以上が基準となります。
一方、特定建設業の許可が必要となる場合に該当しなければ、一般建設業の許可で施工することができます。

上の図では、A社は特定建設業許可が必要です。B社はC社と5000万円の下請契約を締結していますが、元請けではないため、特定建設業許可は必要ありません。
また、元請けであってもD社のように下請契約が5000万円未満であれば、一般建設業許可で差支えありません。
まとめ
| 知事許可 | 営業所を1つの都道府県内にのみ設置 |
|---|---|
| 大臣許可 | 営業所を2つ以上の都道府県に設置 |
| 特定建設業許可 | 発注者から直接(元請負人として)請け負った工事について、5,000万円 (建築工事業の場合は8,000万円)以上となる下請契約を締結する場合 |
|---|---|
| 一般建設業許可 | 特定建設業の許可が必要な工事以外の工事のみを施工する場合 |
建設業許可を取得する場合、どの許可が必要になるのかは、営業所の設置状況や工事の請け方などによって異なります。
「自社の場合、一般と特定のどちらが必要なのか」「知事許可と大臣許可のどちらになるのか」など、建設業許可について分からないことがありましたら、お気軽にご相談ください。

